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日本でも、LGBTQ・性的少数者などに関するニュースに触れる機会が増えてきていますが、実際に性的少数者の当事者と話す機会があったという人は、それほど多くないかもしれません。

しかし、性的少数者は様々な場所・様々な街で暮らしていて、なかなか周囲に自分の気持ちを打ち明けられずにいる可能性があります。

近年では、トランスジェンダー・シスジェンダーなど、日本人にとって目新しい単語も登場しています。

この記事では、多様な性について理解・対処するための、基本的な考え方について解説します。

性の多様性について知ろう

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まず、性のあり方は、身体的特徴だけで判別できるほど単純ではありません。

例えば、身体は男性であっても心が女性なら、男性を好きになることは何ら不思議なことではありません。

また、多くの男性は女性を好きになり、多くの女性は男性を好きになりますが、それは身体的な性ではなく「その人の男性的・女性的とされる特徴」を好きになっている可能性もあるでしょう。

まとめると、性の多様性を理解するためには、次の3要素について理解する必要があります。

○身体の性別
○性自認(自分の性別をどうとらえているのか)
○性的指向(自分がどのような人・対象を好きになるのか)

これら3要素の組み合わせによって、性のあり方(セクシュアリティ)は以下の通り様々です。

セクシュアリティ詳細
L(同性愛者ビアン・Lesbian)自分を女性として自認しており、その上で女性が好きな人
G(同性愛者・Gay)自分を男性として自認しており、その上で男性が好きな人
B(バイセクシュアル・Bisexual)異性・同性に関係なく恋愛対象になる人
T(トランスジェンダー・Transgender) 生まれたときに割り当てられた性別とは異なる性別を生きる人
※(性同一性障害を含む)

シスジェンダーとヘテロセクシュアルも重要

性の多様性について理解を深める上では、シスジェンダー・ヘテロセクシュアルという単語も理解する必要があります。

シスジェンダーとは、自分の性別に違和感がない人のことで、例えば「男として生まれ、男として育ってきたことを自然だと感じている」人は、シスジェンダーといえるでしょう。

また、ヘテロセクシュアルとは、自分とは異なる性の人を好きになる人のことをいいます。

なお、ホモセクシュアルは、自分に近い性に魅力を感じる人のことをいい、一概に男性の同性愛者を指す単語ではない点に注意が必要です。

多様な性の当事者すべてを指す「SOGI(ソジ)」

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多様な性について理解を深めるためには、性的少数者に対する理解を促進するだけでなく、多数派とされる人が自分自身の性的指向・性自認について理解を深める必要があります。

こういった“異性愛も含めすべての人が持つ属性”を示す単語がSOGIで、SOはSexual Orientation、GIはGender Identityの略語です。

社会に暮らす人々が、多様な性について正しく理解するためには、性的少数者だけに配慮するだけでは足らず、すべての人にとって暮らしやすい環境を整えるためのアイデアが必要です。

例えば、性別に関係なく使用できるトイレ(ジェンダーレストイレ)を多く設け、女性用個室をなくしたとしても、かえって利用者に不安を与える可能性があります。

真の意味で、人々が互いに尊重し合って暮らすためには、それぞれのSOGIに不都合がないよう考え、判断することが大切です。

多様な性を理解するための第一歩

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新しい考え方に遭遇したとき、すべての人が速やかにそれを理解し、自分たちの生活に反映させることができるわけではありません。

多様な性を理解することは、多様な「心」を理解することでもあるため、一筋縄ではいかないのが現実です。

だからこそ、それぞれの人が、それぞれのペースで、分かることから少しずつ理解を積み上げていくことが大切です。

以下、多様な性を理解するための第一歩として、基本的な考え方・取り組みのアイデアをご提案します。

当事者の意見・考えを知る

自分がシスジェンダー・ヘテロセクシュアルであり、性自認・性的指向が多数派である(一般的である)と自認している場合、まずは性的少数者の考え方について知ることが大切です。

インターネットなど各種メディアでも、当事者の意見・考えを知ることができるため、まずは情報として当事者の意見・考えをチェックしてみましょう。

その際に重要なのは、いきなり理解しようとせず、まずは「こんな風に自分や世の中について考えているんだ」と、一つの情報として処理することです。

相手を理解しようとする試みは、相応のエネルギーを消費するため、普段の生活で・無理のない範囲で情報収集することをおすすめします。

「理解できる」部分と「理解できない」部分を分ける

性的少数者は、ただ性自認・性的指向などがマイノリティであるというだけで、犯罪者でもなければ病人でもありません。

よって、同じ人間であるという視点から情報収集を試みる限り、自分と似たような部分も見つかるはずです。

その一方で、どうしても自分には理解できない部分が生じることも考えられるため、その点に関しては無理に理解しようとせず、情報として頭の中にストックしましょう。

実際、異性しか好きになったことがない人が、同性が好きな人の性的衝動を理解するのは難しいはずです。

相手が「何をされたら傷つくか」を意識してコミュケーションをとる

自分が理解できること・理解できないことを把握したら、次は性的少数者とのコミュニケーションについて意識を変えていきます。

例えば「ホモ」・「オカマ」・「同性愛者」といった単語は、日本でも各種メディアで面白おかしく報じられてきた歴史があるため、当事者の中には嫌な思い出を持っている人もいます。

これまで日本で当たり前だった、性的少数者に対する差別用語を理解して、当事者と会話する際にそれらをポジティブに言い換えるようにするだけでも、当事者が聞き手に対して抱く印象が変わります。

当事者との関係が少し進展したら、自分の性自認・性的指向について打ち明ける「カミングアウト」を受ける可能性もあります。

このような場合は、まずはその事実を肯定的に受け止めつつ、他の誰かに伝えてよい情報かどうか確認しましょう。

他人の性自認・性的指向につき、本人の許可なく他の人に話すことを「アウティング」といい、これは当事者を深く傷つける行為です。

アウティングは、自分に悪気がなくても迷惑をかけ、当事者の自分に対する信頼感を大きく損なうおそれがあるため、カミングアウトへの対応は慎重に検討し、自分の口の堅さに自信がなければ、あえて「聞かない」という選択肢を持っておくことも大切です。

アダルトグッズにおいても大切なこと

アダルトグッズ・ラブグッズに関しても、多様な性に配慮することは非常に重要です。

というのも、同性愛者ビアンと同性愛者では性的指向が異なるため、快楽を得るための方向性とデザインが一致しない場合が考えられるためです。

同性愛者ビアン向けの動画などを見たことがある人は、いわゆる「双頭ディルド」を見たことがある人もいるかもしれません。

しかし、大人のおもちゃのデザインがリアルな男性○器を想起するものだと、いわゆる「大人のおもちゃ」的イメージになってしまい、同性愛者ビアンのプレイには馴染みません。

シェアバイブやクリ責めタイプのバイブであれば、違和感なくプレイに使用できるでしょう。

同性愛者のオナホ選びに関しても似たような傾向があり、女性○器に興奮しない人が、女性○器を模したデザインのオナホを使うのは厳しいはずです。

かといって、男性のアナルを連想させる形状・特定の有名人をイメージしたグッズが売れるかというとそうではなく、むしろ「身内感があってイヤ」という意見も少なくなかったのです。

このような傾向を踏まえると、男女ともに、今後はユニセックスな形状のグッズに人気が集まるものと推察されます。

まとめ

多様な性への理解は、一朝一夕には進まないことが多く、男女はこうあるべきという規範(ジェンダーバイアス)が強い日本では尚更その傾向が強いでしょう。

だからこそ、性的少数者への対応も含め、自分が他の誰かとコミュニケーションをとる際は、正しく情報を処理して線引きする意識を持つことが大切です。

分からないことを「分かったつもり」になってコミュニケーションをとると、後々になって大きな問題が生じる可能性があります。

自分が相手に不快感を与えない範囲で踏み込める距離を把握して、丁寧にコミュニケーションをとりましょう。